指先から産まれる、タティングレースの魔法。
数ヶ月もの時間を費やして作られていく、ボビンレースという時間。

たった一枚のテーブルクロスから伝わる物語は、壮大でいて、どこか儚い奇跡の物語。

現在、物語を紡ぐレース職人は、時代の経過と共に減少しており、
古き良きレース製品の製造は、大変難しくなっています。

こちらでは、レースショップ「アミ・ブルージュ」が過去に製作し、
所有する、珠玉のレース製品をご紹介致します。

今では実物を見る機会も少なくなった職人達のレース製品に触れ、
レースの魅力を再認識して頂けたら、幸いです。

 

I.Cutwork&Drawnwork/カットワーク&ドロンワーク

時を取り戻せたなら…
の思いで、1950年代当時の豪華な図案を入手し、複雑な技法と惜しまぬ時間をコラボレーションさせて蘇らせた…

復刻、時を取り戻せたなら
綿麻の基布に図案を描き、その上に手刺しゅうを施してゆきます。
カットワーク(切抜き)部分の輪郭はほつれないようにしっかりとしたボタン穴かがりの技法で刺しています。

小さな網目に見える部分はドローンワーク(糸抜き)技法と呼ばれ、図案にあわせて、繊維の縦糸と横糸をそれぞれ一本ずつ抜き取ってゆきます。

その奇跡は180日間かけて作られる。
全て手刺しゅうによって作られたこの美しい作品たちは、一枚を、一人の職人が約180日間を費やし作り上げたものです。
カラー刺繍に至っては、色を変えるごとに、針を変えながら作業を進めていきます。

 

II.Tatting Lace/タティングレース

指先からレースが生まれる。その技はまるで手品のよう。
繊細に編み込まれたレースがもつ宝石にも負けない美しさは18世紀頃の英国やフランスなどの王侯貴族達の間で大変もてはやされたと言われています。

タティング(タッティング)レースは、指先を使って編み上げるレースの一種です。
二本の指に糸を渡し、そこへシャトルと呼ばれる舟形の糸巻の先端を使って結び目を作り重ねてゆきます。
そうして出来上がってくるテープ状のレースを図案に合わせてモチーフに組み上げてゆき、最後に、それらのモチーフを編みつなげることで、大きな1つの作品となります。

 

III.Venezian Lace/ベネチアンレース

ニードルポイント技法
その昔、イタリアのベニスで盛んに作られていたため、通称=ベニス(ベネチアン)レースと呼ばれています。
基布を頼りに刺してゆく刺しゅうと違い、糸と糸を編み上げてゆくレースとも違う技法で作られています。
板紙に描かれた図案の輪郭に先ず、糸を置きそれを板紙に縫い留めます。
その後、その糸を頼りにボタン穴かがりで糸を刺してゆきます。
使用する糸の太さによって、製作時間は左右されます。

刺繍レースという技と英知の融合
匠の技を贅沢に配されたこの一品は、今から30年程前に職人の手によって生み出された、珠玉の逸品です。
1990年代当時の上海のレース専門商社に大事に展示されており、門外不出と言われていましたが、熱意を込めた交渉の末 今、弊社にて保管しております。

 

IV.Bobbin Lace/ボビンレース

究極の手作りレース
イタリア向け商品だった図案を日本用のサイズにて制作を依頼。
以後、約二十ヶ月を経て日本へ届きました。

図案を予め、パーツごとに分割して描き、その図案をピロウと呼ばれる土台の上に重ね置き、図案に沿い、虫ピンのような針を立てておきます。
そこに数十本ものボビンに巻かれた繊細な亜麻糸を引っ掛け、組み上げるように編んでゆきます。
ボビンを振るその目にも留まらぬ速さのわりに、編みあがりはミリ単位で少しずつ。更に、亜麻糸は乾燥に弱いため地下室などの多湿で薄暗い劣悪な環境で編まれていたそうです。

これらレースは、完成までに気が遠くなるほどの時間を要することと、その希少性から「糸の宝石」と称されました。
中世ヨーロッパの高位聖職者や王侯貴族にとってはその美しいレースは魅力的であり、腕の良い職人をベルギーのブルージュから自国へ呼び寄せ専属にしていたとも言われています。

 


 

 


 

アミ・ブルージュ本店の奥には、ご紹介以外にも沢山の貴重なレースや刺繍製品が、大切に保管されています。
シャドウステッチの美しいクロスや手編みの総レースクロスなどのコレクション。
稀少な品々は時間と共に入手困難となるものばかりなのです。
レースが大好きなあなたの、またのご来訪を心よりお待ち致しております。